ゆず(柚子)の栄養と効能は?ゆず茶ってどんなお茶?
ゆずの香りがうれしい季節になってきましたね。
香りがよく、ほどよい酸味のゆずは、日本料理には欠かせませんし、
冬至の日にはゆず湯に入るなど、私たちの暮らしにとてもなじみの
あるものですよね。
そんなゆずやゆず茶についてご紹介します。
ゆず(柚子)
ゆずは独特の香りと鮮やかな黄色の果皮が特徴で、日本では昔から
果汁を焼き魚や鍋物、酢の物などの風味づけに、果皮を吸い物や蒸し物、
和え物、漬け物などの香りづけに利用してきました。
果肉の部分をくりぬいて器状にしたものを「柚子釜」といって、
料理の盛りつけなどに使われたりもします。
身近なところでは、ゆず酢(ポン酢)、ゆず胡椒、ゆず酒、お菓子など、
いろいろな用途に使われていますよね。
また果皮は、七味唐辛子に加えられるなど、香辛料・薬味としても
使用されます。
ゆずの原産は中国の揚子江上流で、日本には飛鳥時代・奈良時代に渡来し、
薬用や食酢として栽培されていたことが記録に残っています。
ゆずは、基本的に温暖な気候を好むミカン属の中で最も寒さに強く、
全国的に栽培されていて、東北地方まで分布しています。
5月~6月に白色の花を咲かせ、夏頃から果実が膨らみ始めます。
未成熟で果皮が緑色の青ゆずは7月~10月、完熟した黄色い黄ゆずは
10月~12月に収穫されます。
ゆずは、病虫害にも強く、栽培しやすいとされています。
ただ、成長が遅いことでも知られ、種から育てると実がつくまでに
10数年かかるといわれます。
「桃栗三年柿八年」という言葉がありますが、これに続く言葉は地方によって
いろいろあるようですが、ゆずについては、「柚子は九年の花盛り」
「柚子は遅くて十三年」「柚子の大馬鹿十八年」などといわれています。
ゆずの栄養と効能
ゆずには、みかんの約4倍ものビタミンC、カリウムやカルシウムなどの
ミネラルが含まれているため、抗酸化作用があり、風邪の予防、肌の若さを
保つ、コレステロール値を正常に保つ、などに役立ちます。
また果皮にはビタミンEも多く含まれていて、皮膚の角質化を防ぐ効果が
あり、皮膚薬にも使われています。
このため、果実をそのまま、または果皮を布袋にいれて湯船に浮かべる
柚子湯には肌を滑らかにする効果も期待できます。
そして果汁にはクエン酸などの有機酸が多く含まれていて、乳酸が筋肉に
溜まるのを防ぎ、疲労回復の効果があります。
また、食欲増進、カルシウムや鉄分の吸収率の増加、食中毒の予防などにも
役立ちます。
果物の香り成分にもさまざまな機能のあることが明らかになっています。
ゆずの香りの成分(精油)には、天然のアロマテラピー効果があり、
鼻孔から入った香りが大脳を刺激して、気分をリフレッシュさせてくれます。
また、鼻孔や皮膚から体内に取り入れられることで、血管が広がって血流が
よくなり、新陳代謝を促します。
ゆずの選び方と保存方法
【ゆずを選ぶポイント】
形がよく、色がきれいで、果皮の厚いものがよいです。
手に持った時に、実に張りがあってブヨブヨしていないものを選びましょう。
ヘタの部分を見て切り口が茶色くなっていないか、良い香りがしているかを
確かめましょう。
【ゆずの保存方法】
- 気温が高い時期は乾燥しないようにラップで包むか袋に入れ、冷蔵庫に
入れておきましょう。 - 冬場は新聞紙やラップで包み、常温で保存します。
香りが命なので、なるべく早く使いきりましょう。
使い切れないときは、若干風味は落ちますが、冷凍保存もできます。
- 皮をなるべく幅広くむいて、白い部分をある程度そぎ落とします。
完全に黄色い部分だけにならないように少し残すのがポイントです。 - 黄色いところだけを細く刻んで冷凍すると、細胞が潰れて香りが逃げ
やすくなってしまいます。 - 皮は刻まずに、そのままの状態でチャック付きの保存袋に入れ、
しっかり空気を抜いて冷凍します。 - 果肉は半分に切って一つずつラップで包み、保存袋に入れて冷凍します。
果汁を製氷皿などで固めるか、皮とは別にチャック付きの保存袋に入れて
冷凍しておくのも良いでしょう。
使うときは、皮は凍ったまま、使う直前に白い部分を削って細く刻んで、
果肉は自然解凍し絞って使いましょう。
ゆず茶ってどんなお茶?
ゆず茶は韓国の伝統的な飲み物で、 一般的に多く飲まれているお茶です。
最近では日本でもとても人気がありますね。
お茶と言っても茶葉を使ったものではなく、ゆずを砂糖などに漬け込んで
作ったジャム状のペーストをお湯に溶かして飲むというものです。
果肉が入っていて歯ごたえもあり、ゆず独特の香りと甘みが味わえます。
【ゆず茶の効果・効能】
ゆずにはビタミンC、カルシウム、ミネラル、鉄分など多くの栄養素が含まれています。
特にその皮に豊富な栄養素が含まれていて、ビタミンCはレモンの約3~4倍
も含まれているそうです!
ゆず茶は、その皮の部分もふんだんに使ったお茶なので、
ゆずの豊富な栄養素をしっかりと摂取することができます。
ビタミンCは、疲労回復、美肌効果、風邪の予防などに効果があります。
またゆずの香りには、精神安定(リラックス)効果、疲労回復、血行促進など
にも効果があると言われています。
ゆず茶は自宅でも簡単に作ることができますよ。
【ゆず茶の作り方】
材料
- ゆず 500g
- 氷砂糖(または上白糖) 500g
作り方
- ゆずのへたを取って、流水で洗い、水気を切ります。
- 横半分に切って、種を取り除きます。
- 中のワタごと、細切りにします。
- 広口びん等にゆずと氷砂糖を3分の1くらいずつ交互に入れます。
- このまま常温保存します。1日おき位にびんを優しく振ります。
- 2週間くらいで完成です。できあがったら、別のふた付きの容器に移して冷蔵庫で保存しましょう。
お好みの量をカップに入れてお湯を注いでどうぞ。冷たい水、サイダーなどで
割ってもおいしいですよ。
そのまま、ジャムのようにヨーグルトやパンにのせてもおいしいです。
まとめ
ゆず、すだち、かぼす、レモン、ライムなどの、生食せずに果汁や果皮などを
薬味や調味料、ジュースなどに使う柑橘類のことを「香酸柑橘」といいます。
日本はこの香酸柑橘類が豊富で、ゆず、すだち、かぼす、橙(だいだい)、
柚柑(ゆこう)、餅柚(もちゆ)、花柚(はなゆ)、木酢(きず)、
大柚(おおゆ)、直七(なおしち)、長門ゆず吉(ながとゆずきち)、
シークヮーサーなど、なんと、数十種のがあるそうです。